シュシュ~番外編①~
「星野社長、今夜はお越し下さり、ありがとうございます。

何かご不満でもあったでしょうか?」

突然の龍之介の登場にもかかわらず、大泉社長は、毅然とした態度で

そう問いかける。


「いや、ただ、大泉社長の秘書に話があってきた。

今夜はもうこれで失礼する・・・」


それだけ言って、私を無理やり連れて行こうとする龍之介。


「今までのことすべて、貴方は本当の出来事だとお思いになられますか?」

「・・・何?」


行こうとする龍之介にそう言った大泉社長。

龍之介は怪訝な表情で大泉社長を睨んだ。


「貴方が、美織をどれだけ信じているか知らないが、自分が彼氏と言うなら、

彼女のすべてを受け入れろ」


「…言われなくても分かってる。そんな事、お前に言われる筋合いはない」

…いとも簡単に、私を龍之介手渡した大泉社長。

その本心は一体・・・


…連れてこられたのは、龍之介のマンションだった。

「・・あの」

私は不安いっぱいで、龍之介を見つめる。

もちろん彼の背中を。

彼は連れ出してから一度も目を合わせない。
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