Bussiness Trip
新幹線に乗ってからも、黙って二人分の荷物を網棚に上げ、窓側の席に雪乃を座らせ、車内販売のホットコーヒーを2杯注文した。
「開場まで、どうする? 昼飯食ってから、宿の回り、プラプラしてみるか」
「うん」
「じゃあ、まずはフロントに荷物預けて、身軽になってから行動しよう。雪乃は広島に行ったことあるのか?」
「ない」
「だよな。関西だと、修学旅行も広島には行かないもんな」
戸上がパラパラとガイドブックを読み始めたので、雪乃も文庫本を開いたが、朝が早かったせいで、いつしか眠りに落ちていた。