Bussiness Trip

目の前にドリンクが差し出され、雪乃が受け取ろうとした時、横から戸上が流れるようにグラスをつかんだ。

「あ、それ、俺がもらいます」

バーテンダーは心得顔でうなずくと、カクテルグラスを戸上に手渡すと、サラトガクーラーを雪乃の前に置いた。

「それ、入ってないから」

そっと耳打され、雪乃は口だけ動かして、「ありがと」と微笑んだ。
今日はなんだか、戸上に助けられてばかりいるような気がする。
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