Bussiness Trip

「どうやってって、こう、抱え上げて?」

戸上が腕に抱える仕草をする。

「……」


「それより、今何時?」

戸上はいたってのんきだが、雪乃の心臓は爆発しそうに高鳴っていた。


『戸上にお姫様だっこされた? しかも、覚えてないなんて……』


そんなに安心しきっていたのだろうか。
抱きあげられて気づかなかっただなんて。
自分で自分が信じられなかった。

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