Bussiness Trip
しばらくしておそるおそる障子を開けて、雪乃が様子をうかがう。
「あの、着替えとか、買ってこようか?」
隙間から顔半分のぞかせる仕草までもが愛おしい。
「これくらい平気だから」
「そう、ほんとにごめん」
俺の前に正座して深く頭を下げる。
「いや、俺が驚かすようなこと言ったのが悪いんだし。悪ふざけが過ぎた」
「んーん。冗談、真に受ける私が悪いの」
しょんぼりしている雪乃。
『いや、マジだったんだけど』
「そろそろ、出ようか」
「そうだな」
何となく気まずい雰囲気で店を後にする。