花結び

吉田の言葉に目を開くと、気になっていた事を訊ねた。

｢此処は何処ですか？
そして今は何年ですか？｣

｢なぁにぃっ!?｣

七緒の問い掛けに高杉が木からずり落ちかける。


｢まっ待て待て待て!!
お前、記憶無いとか言わないよな？｣

顔を青くした高杉は七緒に答えを急かす。


｢うるさい。晋作｣


吉田の声に肩を竦めた高杉は木から飛び降りる。


｢此処は長門。今は文久三年｣


｢……え｣


日本史を勉強していた七緒の頭に浮かんだ結論。


｢江戸、時代ですか？
長門って。江戸に近いんですか？｣


｢うわぁぁあ!!稔麿どうすんだっ｣

｢どうしようね｣


頭を抱え叫んだ高杉の隣で吉田も困ったように七緒を見ていた。


.