花結び
いきなり降って沸いたように現れた七緒が漏らした言葉を確かに聞いたんだ、俺は。


このまま、捨て置けば。


七緒は命を自ら絶ってしまうだろうから。


この小さな手を取らなければ。

握って離さないようにしないと。






消えてしまう。





目の前の命が消えるのが無償に怖かった。


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