砂漠の夜の幻想奇談
商人の言葉に男の目が丸くなる。
「王様は処女の女奴隷好きであられるからな。そこは重要だ」
「ほうほう、王様にねぇ。にしても、でっかくでたなぁ。会ってくれんのか?」
「このダマスの太守のシャールカーン王子様がわしのことを御存じだ。王子様に訳を申し上げれば紹介状を下さるだろう」
「なるほどなぁ。んじゃあ、金に関してだが…」
次に値段の話を始めた二人は宿屋に向かって歩き出した。
まだ午前中のことであった。