砂漠の夜の幻想奇談
どこまで話したのだろう。
疑問に思っているとシャールカーンがやって来た。
「おや、起きたね。ああ、ドニヤもいたのか」
彼が入ってくるとドニヤはすぐさま一礼した。
「サフィーア、ドニヤを君の召使として与えるよ。君の本当の身分も事情も全て話してしまったけれど、信頼できる女性だから安心して」
言われてサフィーアはまじまじとドニヤを見つめた。
ハキハキとした、感じの良い話し方に明るい笑顔。
第一印象は好ましかった。
「わかったわ。よろしくね、ドニヤ」
サフィーアも自然と笑顔になる。
「はい!こちらこそ、全力でお仕えさせていただきます!お困り事がございましたら何でもおっしゃって下さいね」
二人の挨拶が済んだところで、シャールカーンは早速ドニヤに命令した。