砂漠の夜の幻想奇談
せめて十代の若者を。
ちなみにシャールカーンはギリギリ十代に入る。
(おじさんと政略結婚するくらいならシャールと結婚するわ!!)
サフィーアはそう書きなぐって二人に紙を見せた。
「姫…!本気ですか!?」
「…なんか微妙だね。素直に喜べないな。嬉しいけどさ」
「サフィーア姫!お考え直し下さい!こんな奴と結婚したら命がいくつあっても足りません!」
「狙われたことを思い出せ」と強く語るカシェルダの瞳。
サフィーアは少し怯んだ。
(でも……)
我が儘かもしれないが、恋愛結婚をしたいと思うのが普通の感情だ。
誰かも知らない相手に嫁ぎたくはない。
内心サフィーアが悶々としていると、おもむろにシャールカーンが口を開いた。