砂漠の夜の幻想奇談
「いいか?試合は一騎打ちと団体戦の二つだ。まず始めに一騎打ちをやる。これは言わば前座。メインは二チームに分かれた団体戦だ」
道中、馬を歩かせながらカシェルダが馬上槍試合について説明を始めた。
「一騎打ちでテオドールを倒しても、団体戦で勝たなければ勝利にはならない。王様は各チームの大将をお前とテオドールにするはずだ」
「団体戦か。面白そうだね」
楽しそうに笑うシャールカーン。
サフィーアは彼の腕の中でバッチリ見た。
普段よりもシャールカーンの瞳が生き生きしている。
「それって王子に不利じゃねーか!?団体戦の味方って騎士団の連中だろ!?」
後方で聞いていたトルカシュが叫んだ。
すると、カシェルダがアッサリ肯定する。
「その通りだ。だからトルカシュ。お前も参加しろ」
「へ!?」
「俺もシャールカーンのチームに入る」