砂漠の夜の幻想奇談
「乗ってあげるよ。俺的にも一回で終わりは辛い」
(イヤ!いやいやいや!私はもう無理よ!シャール~!)
「いただきます」
(食べちゃイヤ~!!)
ポカポカとシャールカーンの頭を叩き、ギュッと目をつぶる。
と――。
(ひゃん!?)
はむっと耳たぶを甘噛みされた。
「フフッ、なんてね。冗談。無理はさせないよ」
目を開ければ意地悪く笑う旦那様。
真っ赤になってキッと睨んでやっても効果は無し。
余裕そうに微笑まれる。
「お前は可愛いね。大好きだよ…」
今宵、何度目かわからない口づけを受け入れる。
サフィーアは目を閉じて、今感じる幸せに身を委ねた。