砂漠の夜の幻想奇談
すぐ届けられると思っていたサフィーアはしゅんとした。
そんな妃の落ち込み具合にシャールカーンは内心焦る。
「サフィーア、そんな暗い顔をしないで。あ~、ドニヤ!サフィーアの好きな菓子を持って来い」
「は、はい!只今!」
急な命令にビックリしながらパタパタと廊下へ駆けていくドニヤ。
(お菓子って……子供扱いしないで欲しいわ)
頬を膨らませて俯くサフィーアの顎に指が掛かる。
「サフィーア、こっちを向いて」
優しく言われ、恐る恐る上向けば、シャールカーンの瞳が間近に迫っていた。
「きつく言い過ぎてしまったかな?すまなかった」
ご機嫌取りのキスを一つ。
軽くリップ音を立てて離れるのかと思いきや、続けざまに濃厚な口づけで攻められる。
絡みついてくる彼を恥じらいつつも受け入れていたら、いつの間にか長椅子に押し倒されていた。