砂漠の夜の幻想奇談
シャールカーンがアナトリアで起こっている出来事をルームザーンから聞き出して、ひと月後。
劣勢になったから協力して欲しいというアフリドニオス王からの言葉を持って、テオドールとミロンがバグダードへやって来た。
シャールカーンは快く承諾。
どのように援軍を送るかテオドール達と詳細を話し合うこととなった。
「ザックリ簡単に説明すると、オレ達騎士団がアナトリアの北側から、王様達が南側から攻めて挟み撃ちにしちゃえってわけ」
ミロンが指で地図を示しながら作戦を教える。
テオドールと違って頭が切れるミロンは主に参謀担当だ。
「南北から同時に攻められると、奴らは軍を二分しなきゃならないでしょ?だから兵力も分散されて潰しやすくなるよ」
「戦略は理解した。それで、援軍を進める方向だが、首都カイサリアが目標か?」
真剣な眼差しのシャールカーンをチラッと見て、ミロンはワクワクしながら頷いた。
「うん。首都にいるハルドビオス王を引きずり出すのが目的だからね。道中の案内はオレ達がするよ」
「ああ、頼む。で、問題は我が軍の編制だが…」