砂漠の夜の幻想奇談
「は、はい!兄上の名代として、しっかりお役目を果たしてみせます!」
兄に大役を任され緊張するも、カンマカーンは笑顔で受け入れた。
「うん。頼むよ、カン」
弟の肩をポンと叩き、シャールカーンはルステムに向き直る。
「それで、俺が連れて行こうと思うのは、ルステム!お前だ」
「ぼ、僕ですか!?」
まさかの指名にルステムはビックリ。
「お前はラテン語も話せるし、剣の腕も立つ。俺と一緒に来てくれ」
「わかりました。ご命令に従います」
他の将軍達が心配する中、地下からの潜入を試みるのはシャールカーンとルステムの二人に決まった。
「暗いから松明を持ってこい!ルステム、狭いところは大丈夫か?」
「はい。問題ありません」
部下に明かりの松明を二本持ってこさせ、それぞれが手に持つと、二人は仲間に見守られながら慎重に地下への階段を下りていった。