砂漠の夜の幻想奇談
こうして手紙が見つかった翌日、シャールカーンはバルマキーとカンマカーンの協力を得て文書庫内にて報告書を探すことに。
三人で手分けして、関係ありそうな資料や記録に片っ端から目を通す。
「この手紙の差出人……カシェルダとありますが…まさか彼でしょうか?」
ふと、バルマキーが疑問を口にした。
それに対して、調べている文書から目をそらさずにシャールカーンが答える。
「それは俺も気になった。だが、あのカシェルダとは考えにくい。十二年前ならあいつだって子供だ」
「ですよね…」
「本人じゃないなら親戚とか…?」
当てずっぽうだが有り得そうなカンマカーンの意見。
隣にいたシャールカーンは大きく頷いた。
「確かに…。その可能性はある。カシェルダが戻って来たら聞いてみよう」