砂漠の夜の幻想奇談


こうして手紙が見つかった翌日、シャールカーンはバルマキーとカンマカーンの協力を得て文書庫内にて報告書を探すことに。

三人で手分けして、関係ありそうな資料や記録に片っ端から目を通す。


「この手紙の差出人……カシェルダとありますが…まさか彼でしょうか?」

ふと、バルマキーが疑問を口にした。

それに対して、調べている文書から目をそらさずにシャールカーンが答える。

「それは俺も気になった。だが、あのカシェルダとは考えにくい。十二年前ならあいつだって子供だ」

「ですよね…」

「本人じゃないなら親戚とか…?」

当てずっぽうだが有り得そうなカンマカーンの意見。

隣にいたシャールカーンは大きく頷いた。

「確かに…。その可能性はある。カシェルダが戻って来たら聞いてみよう」








< 849 / 979 >

この作品をシェア

pagetop