人魚姫の罪
人形街

合コン

「今日ってなんかあんの?」
コンビニの弁当をぶら下げて晋也が追いかけてきた。
「お袋の命日だから実家に戻る。」
「じゃあ今日休めばよかったじゃん。」
「授業は少しでも出たほうがいいだろ。来年は就活だろ。」
「全く、優ちゃんは名前の通り優れてますねえ。」
「馬鹿にするな。じゃあ。俺行くわ。じゃあな。」
 大学に入って3年目の夏が来た。
今日はお袋(母)の命日だ。

セミの声が聞こえ始めた初夏のことだった。
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