人魚姫の罪
ぴちゃっと、店員から酒がしたたる音がきこえるくらい静まりかえる。
お構いなしにクルクル頭は店員に怒鳴った。
「あんたさっきからうざいのよ!」
「ブス!」
店員はおびえていた。
店員はふるえる肩を必死に押さえていたが、クルクル頭は何も答えない店員にいらだって隣の女の子の酒を顔面にぶちまけた。
その瞬間、俺は無意識に席を離れ、クルクル頭の胸ぐらをつかんでいた。

「てめーさっきからいい加減にしろ!初対面の男に今からしようとか店員になんでこんなことすんだよ!頭おかしーんじゃねーか!?」


久々大声で怒鳴ったきがする。
俺の怒鳴り声がこだます。
クルクル頭は俺の手を震えながら放すと、走って悲鳴をあげて店を出ていった。残された俺に視線が突き刺さる。
ひそひそ声が心臓に突き刺さった。
俺はいてもたってもいられず、机の上のおしぼりを握り、店員の手を引っ張り店から出た。
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