ハジマリ、合言葉
「雨、好きなの?」

そう聞くと違う違う、と首をブンブン振った。

「ん-じゃあなに?」
少しの沈黙。
さっきより強くなったのだろうか。雨の音がよく響く。

「きみが、好きなの。」
そう言って上目づかいをする彼はそれだけでする彼は

彼は、ズルい。

心臓が高鳴って、今度は雨の音が小さく聞こえる。

「まさか顔に出てるなんて!!」
両手で顔を覆う彼。

なんだよ、やっぱズルい。
かわいすぎるよ。

「ねぇ、手どけて??」
「ん-?んん-」

しぶしぶ手をどける彼に、不意うちでキスをした。
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