青春謳歌
「いや、陽菜に用があって来たんだが・・・・・・。」
「え!?」
「どうかしたか?」
急に顔色を悪くした平井に俺は首を傾げる。
何か都合の悪いことでもあったんだろうか?
「その・・・たった今、陽菜も春原先輩を探しにここを出て行ったばかりで・・・・・・。」
「入れ違いか・・・。」
「はい、会わなかったってことは・・・多分。」
「そうか・・・。すまなかったな、時間を取らせて・・・。」
「いえ、大丈夫です。」
平井に礼を言って帰ろうとしたら、平井が急に大きな声を上げた。
そして、俺に封筒を差し出してきた。
「これ、春原先輩にあげます。」
ニコニコと笑う平井に俺は首を傾げながら受け取る。