青春謳歌
「その言い方だと、陽菜ちゃんへの気持ちに気づいちゃったって感じか?」
その言葉を聞いてこの前の架李とのやり取りを思い出した。
そういえば、そんな話をしていた気がする。
「あぁ、お前の彼女に気づかされた。」
平然として言うと架李は俺に抱きついてきた。
「何だよ!それを早く言えよ!!」
「気持ち悪いから近寄るな。」
男が男に抱きつく光景はすごくシュールな光景だ。
陽菜に色々と誤解が生まれてしまうかもしれない・・・。
そんなことを思いながら陽菜の顔をチラッと見るとまだ、顔が赤いまま平井と話していた。
「ってことは、俺・・・お前らの邪魔しちゃったか?」
「あぁ・・・本当にな。」
「わ、わりぃ・・・。」
架李が苦笑いをしている姿に溜め息をつく。
すると、また教室の扉が開いた。
今度は誰だ?
そう思っていると、嫌な声がした。