青春謳歌




「陽菜が困っているから止めろ。」




怒りで我を忘れそうになる。


でも、その切れそうな糸を何度も取り繕い言う。



それに、そんな手で陽菜に触れるな・・・。

名前も呼ぶな・・・。



彼氏でもないくせにそんなことを思ってしまう。




「・・・・・・そんなに陽菜が大事なんだ。」




小さく呟いた一ノ瀬に首を傾げる。

どういう意味だ?




「僕の方が先に好きになったのに!!」




一ノ瀬がキッと睨む先は、俺じゃなくて陽菜だった。


睨まれた陽菜は困ったように一ノ瀬を見ている。




「もしかして、蒼君・・・。」

「そうだよ、僕が好きなのは陽菜じゃない。
僕が好きなのは春原先輩だよ!!」




そう言い切った一ノ瀬に周りはキョトンとしている。


そして・・・・・・。





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