青春謳歌
分かってるけど・・・
陽菜Side
寒さが身に染みる冬になった。
残す行事は卒業式だけ・・・。
お世話になった先輩がいってしまう・・・。
お礼を言いたいけど、何て言えばいいのか分からない。
「ねぇ、陽菜・・・。」
ボーッと窓から空を見ていたら友華に声をかけられた。
「どうしたの?友華・・・。」
首を傾げて聞くと友華はどうしたのじゃない!と怒った。
どうして、友華が怒るんだろう・・・?
「陽菜、あれから春原先輩と話したの?」
「っ・・・。」
友華に言われて私は涙が零れそうなのを必死に堪えた。
あんなことがあって話せるわけがないよ。