青春謳歌
「えっと…すみません、先輩。2つ質問があります。」
「何だ?」
「1つ目は…その……ど、どうして私の苗字を知っているんですか?」
同じ学年ではないし同じ部活と言うわけでもない。
ただ同じ体育館で練習をしているだけ…。
なのに先輩は苗字だけでも知っていた。
そこが、1つ目の疑問に思ったことだった。
「俺が綾部の名前を知っていたら変か?」
「い、いえ…。」
「下の名前も知っている。………陽菜、だろ?」
先輩が私の下の名前を言った瞬間、顔が真っ赤になった。
それと同時に口を鯉のようにパクパクとか開閉させる。
だって……まさか、先輩が下の名前を知っていて呼んでくれるとは思わなかったから…。