青春謳歌
-少しして-
いない・・・。
和輝先輩を探しに体育館に行ったのに先輩はいない。
中には誰もいなくて私はがっくりと肩を落とす。
もしかして、もう教室に戻っちゃったかな?
そんな思いでキョロキョロと周りを見てみると不意に肩を叩かれた。
「あの、綾部陽菜さんだよね・・・?」
振り返って見ると知らない人が立っていて、先輩じゃないことにがっかりした。
このスリッパの色は先輩の学年と一緒の色だ・・・。
ということは、この人は先輩かな?
「あの、僕・・・三浦悠って言います。」
「は、はい・・・。」
「僕、君のことをよく見ていて・・・ずっと前から好きだったんだ。」
「え・・・。」
急に知らない人に告白されて私はキョトンとしてしまう。
これも、卒業式マジックというやつなのかな?
そんなことを思っていると、急に抱き寄せられた。