青春謳歌
ど、どうしよう…。
な、何か言わなくちゃ!
こんな機会もう無いかもしれないのに…。
「あ、あの!」
「どうかしたか?」
ドアに手をかけていた手を止めてこちらを見る先輩。
「その…何かお礼がしたいです‼︎
だ、駄目…ですか?」
必死に考えた結果、これくらいしか思い浮かばなかった。
お礼ならそんなに相手にとって重くはならないはず…と踏んで。
「別に気にしなくていい。」
「それじゃあ、私の気が…。」
「そうか…?なら名前で呼んでくれ。」
「え?」
「あ、嫌か?ただ…先輩って呼ばれるとどの先輩か分からないからな。」
ああ、そういうことか…。
少し期待してしまった。
私みたいなのが期待なんて浅ましいにもほどがあるよね…。