青春謳歌
「あの…先輩、すみません。面倒なことになってしまって…。」
「いや、気にするな。それより、いつもこんな遅くまで学校に残っているのか?」
「そうですね…。部活が終わった後に1人で残って練習することもありますけど…今日は先輩に用があったので早く終わりました。」
「そういえばさっきもそう言っていたな。
それで俺に用事ってなんだ?」
俺が言うと綾部は少し戸惑いがちに綺麗にラッピングされた袋を差し出してきた。
よくわからないがとりあえず受け取ってみる。
「えっと…それ、昨日助けてもらったお礼なんですけど…。」
「俺にか?」
そう聞くと綾部はコクンと頷いた。
表情が暗くてよく見えないがなんとなく綾部には怖がられている気がする。
それか、俺に緊張しているのか…。