青春謳歌
「今回、こうして来たのはお前に聞きたいことがあったからだ。
その・・・・・・夏祭りといったら、やっぱり浴衣だろうか?」
いきなり俺が言ったからビックリしたのだろう。
架李が驚いた顔をしたまま俺を見てくる。
さっきとは逆の立場だ。
「えーと・・・。それってどういう話で夏祭りが出てきてんの?」
「ああ、何故か男子バスケ部と女子バレー部が交流を深めようという話になった。
同じコートを使う仲間としてな・・・。
それで、女子バレーの部長の笹田が俺に言ってきた。」
「何て?」
「・・・・・・陽菜も参加する、と。」
そうだ。
もともと、俺はそこまで祭りが好きというわけではない。
だから、今回の提案を断ろうとした。
だが、断る前にそう聞いてしまったので断ることができなくなった。
自分でも分からないが断ってはいけない気がした。
陽菜が参加するなら、自分も参加して一緒に回ってみたいとふと考えた結果・・・俺も参加することにした。