青春謳歌
お互いが親友の彼氏、彼女を知らなかったなんて笑い話のような話だが・・・。
「私、今年は和輝先輩と見れてよかったです。」
「俺もだ・・・。去年は話すこともなかったからな。」
「ふふっ・・・。そうですね。でも、今年は話すことができました・・・。」
儚げに花火を見る陽菜の姿を横から見て何かいろいろと感じた。
去年は話すこともできなかった。
でも、今はこうして話すことができている。
それが、どれだけすごいことかなんて分からない。
だが、今の俺が思うことは・・・・・・。
「来年も・・・一緒に見えるといいな。」
「そうですね・・・・・・。」
静かに俺の手を握り返した陽菜が囁いた。
来年、俺は陽菜の隣にいるのだろうか?
卒業後の進路もまだ、曖昧だ。
でも、それでも・・・・・・来年もまたこの場所で二人で見ていたい。
そう思った・・・高校三年の夏。