青春謳歌
「僕は陽菜と回りたいな♪」
「それは・・・。」
「さっきの話を聞いててどこにあんたの入る隙間があると思うの?」
「それは、平井さんの話だよね。
僕は陽菜に聞いてるんだよ。駄目かな、陽菜?」
蒼君の顔に私は困ってしまった。
蒼君はいい子だ。
でも、この文化祭は私にとっても大きな文化祭だと思う。
だけど、蒼君は本当に私なんかでいいのかな?
蒼君は人懐っこくて可愛いと女の子が噂している。
そんな蒼君が私、なんかと回っても楽しいと思わないんだけど・・・。
「蒼君は他にも誘う女の子がいると思うよ。」
「いないよ、そんなの・・・。」
「でも、もしかしたらいるかもしれないから・・・。
それに、私も好きな人と回りたいからごめんね?」
私がそう言うと蒼君は今にも泣きそうな顔をしていた。