マサハルさん
電池を構えたままの神崎さんと見つめあう。
いや、今の僕らを他人が見れば、それは「対峙」という言葉が相応しいのかもしれない。
次の言葉。
次に僕が発する言葉が、今後の僕らと、僕と柊の未来に、大いに関わってくるということは、女性心理に疎い僕にも、容易に想像出来た。
僕は頭をフル回転させる。
どうやってこの場を切り抜けるか。
いや、切り抜けたいのか。
それとも、始めたいのか。
もしかして、終わらせたいのか。
ひとつのことに結論が出てない僕に、二つのことを考えるのは、土台無理だった。
僕の頭は、またグルグルを始める。