マサハルさん

「遠くに行くんだよね? 柊さん。先輩に聞いたよ?」


神崎さんは僕の目をじっと見ながらそう言う。


「いや、まだ決まってないよ……」


僕は神崎さんから目を逸らし、今年の夏限定のポテトチップスの袋を触りながらそう答えた。

厚切り粗塩味。


「ふ~ん……」


神崎さんの方を見ると、もう、僕なんかには興味がないみたいに、アイスクリームのケースの方に歩いていっていた。

 
< 104 / 181 >

この作品をシェア

pagetop