マサハルさん

コンビニの中。

飲食用のベンチに座り、僕はそう考えながら、ガリガリ君をかじる。

外は雨。

ガリガリ君を食べるにはちょっと寒い。

ソーダ味は特に寒い。



神崎さんは、ガラスの向こうの雨をじっと見ている。

何を考えているのだろう。

寒いのか、時折、腕をさすりながら、グレープ味を食べている。



「アキラくん……」


突然、神崎さんは僕の名前を呼んだ。

目はまだ前方をじっと見ている。


「何?」


僕は指についたソーダ味を舐めながら、神崎さんにそう答えた。


「こうやって、二人でアイス食べてるのも、ヤバクない?」

「うおっ!」

 
< 107 / 181 >

この作品をシェア

pagetop