マサハルさん
「一緒に見る約束じゃないか」
マサハルさんは嬉しそうに、噴き出した泡を啜りながらそう言った。
僕は、もっと缶を振って帰ってくればよかったかな、と一瞬思った。
「ああ、そうだったね」
テレビには「ランディ・バースの再来」とまで言われた、年棒三億円、打率1割2分の外国人選手が、日本人投手の投げた、三球連続のスライダーに三振したシーンが流れていた。
白地に黒の縦縞のユニホームを着て、真っ赤な顔をしながら悪態をつく外国人選手。
日本人の制球力について行けず、僕が見るたびに、クルクルと壊れた機械のように三振を繰り返していた。