マサハルさん
「アキラ、アキラ」
ハナのシャンプーハットが片付いた僕を、今度はマサハルさんが呼んでいる。
「何?」
「俺には?」
「何が?」
「ガリガリ君」
「ガリガリ君?」
「そう」
「ああ、ないよ。だって、マサハルさんにはビール買ってきたじゃん」
「それはそうだが……」
その時、ガリガリ君を食べ終えたハナがこう言った。
「マサハルさん、ハナはね、あのね、今日ね、シャンプーハットをするって約束で、もらったんだよ?」
「じゃあ、俺もシャンプーハットしようかな? そしたら、ガリガリ君もらえるかな?」
マサハルさんは、ハナをからかう様に、ニヤニヤしながらそう言った。
それを聞いた僕が言った言葉と、ハナが言った言葉が、思いがけず重なった。
「ハゲにはいらない」
「ハゲてるじゃん」
「うおっ!」