マサハルさん

僕の謝罪は、近所の主婦が訪ねてきたことにより、唐突に終わる。

僕を問い詰めているという図式を他人に見られるのを恐れたのだろう。

急に声を顰めると、「わかったから、帰って」と追い出された。

その、近所の主婦と入れ違い様に家の中を見ると、僕が持ってきた菓子折りはしっかり握られ、今の出来事を、言い訳と共に、面白おかしく、そして、悲劇的な被害者の立場で語られることが、その目と口元から窺い知れた。

 
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