マサハルさん
結果的に、僕とマサハルさんは、そのハナの強い気持ちに甘えていたんだと思う。
何も言わないことを、この環境に慣れてしまったと楽観視していたんだと思う。
だけど、それは違った。
思い続けるが故、求めるが故に口に出さない思い。
口に出せない感情。
そういうものを、ハナは、あの小さな体と心でじっと耐えていた。
そして、僕らは、それに気づかないフリをしていた。
マサハルさんに用意したビールは、朝まで開けられることなく、テーブルの上に乗っていた。
『追伸 マサハルさんを、どうか、どうか、よろしくお願いします。 静』