マサハルさん
博物館と美術館が同じ敷地に建つ公園。
木立の隙間からはお城の堀の水面がキラキラと光っている。
遊歩道を散歩するおじいさん。
ベビーカーを押す若い母親。
僕らとは違い、仲睦ましそうに体を寄せ合って歩く制服姿。
顔色の悪い薄着のブロンズ像の少女が、両手を広げながらそれらの人々を見ていた。
時折、堀のほうから、ガチョウの『グウァア』というマヌケな鳴き声が聞こえてきている。
「今日よね? 結果分かるの?」
「うん……」