マサハルさん

クラスが分かれてからは、もうコンビニには呼び出されなくなった。

理系にしたのを黙っていたことが少しだけ後ろめたかったが、ある日コンビニに行くと、新しく同じクラスになった男子だろうか、その彼と一緒にガリガリ君を座って食べていた。

一瞬、店内に入るのを躊躇した僕が驚くほど普通に手を振ってきた神崎さんを見た時、彼女の中の役目が終わったことを悟った。

僕の役目。

そして、最接近した時の神崎さんの膝小僧の白さだけが、ぼんやりとした残像のように僕の記憶に残った。

 
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