マサハルさん
柊が地元の先輩(この先輩は女だから! と強調されていた)を、先輩の勤務先である病院で待っていた。
そこは柊の通う大学の付属病院でもあったため、柊の活動エリアからも近い。
患者の為に整備された中庭の誰もいないベンチに座り、何気なく前を見ていた時、目の前をシズカさんに似た女性が横切った。
最初は、まさかと思ったらしい。
それはそうだろう。
僕だって、まさかシズカさんが遠い九州にいるなんて、考えてもみなかった。
だが、勤務を終え、着替えてきた先輩に確認すると(本当は患者に対する守秘義務があり、先輩も渋った)、名前だけは教えてくれた。