マサハルさん
 
「でさ、そういうわけで、明日はマサハルさんが家にいるんだ。だから、どっか別の場所にしない?」

「ん? よかよ。ウチもマサハルさんに会いたかったけん」


柊は中学生の時に、父親の転勤で九州から越してきた。

いまだに方言が直っていないわけではなくて、あえて、直すつもりはないらしい。

生まれた土地への愛着、故郷への感謝、そういうものがあるのかもしれない。

僕としても直して貰いたいとは思わない。

ただ、たまに、何を言っているのかわからない時があるだけだ。


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