マサハルさん
「アンタ達、ちゃんと聞かんばいけんよ」
僕が声の方に顔を向けると、目の前に女性の顔があった。
僕は驚き、バランスを崩した拍子に、ツトムの靴の上に座る格好になった。
「わかっとーと? 青と透明、どっちがどっちかわかっとう?」
僕はツトムの靴の上でモジモジしていた。
急に物凄い距離に女性の顔があったこと。
ツトムが面白がって、僕の尻を持ち上げたり下ろしたりしていたからだ。
「はっきりせんね!」
彼女は小声だが、凛とした声でそう言った。
僕は思わず、「すみません」と謝る。
「ちょっと、後でウチんとこおいで」
「はい……」