マサハルさん

「アキラ、これでいい?」


振り向くと、ハナがお気に入りのスカートを履いてもじもじしていた。

どうやらハナも、柊を迎える準備をしているらしい。


「うん、いいと思うよ。後からクマさんのゴム持ってきな。メイちゃんみたいにしようか?」

「うん!」


そう言うとハナは、嬉しそうに、自分のドレッサーに走っていった。



ハナのドレッサーと言ったが、それは本来、シズカさんのだ。

シズカさんが嫁入りの際に持ってきたというものだ。

今ではハナが貼ったシールや、ハナの髪をまとめる色とりどりのゴムなどで溢れているが、シズカさんは、そのドレッサーをすごく大事にしていた。


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