マサハルさん
柊とは別れるべきだろう。
だけど、迷っている。
別れることによる苦痛、別れないことによる重圧、僕は、それを天秤にかけていたんだと思う。
どちらが柊にとって、柊の受験にとって、邪魔になるんだろうか、と。
だけど、心のどこかでは気づいている。
その選択が、「柊のため」という僕の理由。
「柊のため」だと言うそれは、僕の心を自分自身で隠すカモフラージュ。
結局、そこに僕はいない。
僕自身の気持ちは介在しない。
柊もそれにはきっと気づいている。
何も言わないのは、僕に判断を委ねているのか、僕自身の決断を待っているのか、それはわからない。
僕と同じように迷っているのかもしれない。
僕が選ぶべき道はどっちなんだろうか。