マサハルさん
僕は必死になって言葉を探した。
あらゆる情報が僕の頭の中で溢れかえり、まったく脈略のない言葉同士が頭の中で繋がる。
声が出ない。
喉から先に出て行こうとしない。
「ウチ……もう作業に戻るね……アキラは、まだ寝とかんばよ!(寝てないと!)」
「ひ、柊さん……こ、これ……あ、ありがとうございました!」
僕は笑うウサギのお礼を言うのがやっとだった。
でも、これでは、柊の気持ちに対する答えにはなってない。
柊は僕の言葉をどう取るだろう。
だけど、僕の口は上手く回らない。