マサハルさん

「ん? よかよ。九州の女は情が厚かけんね!」


僕は、そう言いながら、笑って駆けて行く柊の背中を見送るしかなかった。

何か言わなきゃ、何かを伝えなくちゃ、そう思えば思うほど、柊の背中は遠ざかっていく。

僕が諦めかけた、その時だった、柊が回れ右をして戻ってくる。

どうしてだろう?

そう思った時、僕の頭に雨が落ちてきた。

< 68 / 181 >

この作品をシェア

pagetop