マサハルさん

「柊さん、胸、小さいですね」

「なっ! ……見んな! エロ! バカ! クソガキ!」


柊は胸元を押さえつつ、真っ赤になってそう叫ぶ。

僕のぐるぐるは止まらない。

さらに柊に対してこう言った。


「胸元にホクロがありました」

「ひゃあっ!」


柊はそう言って、しゃがみ、黙り込んでしまった。

雨足はさらに強くなり、それと共に、重苦しい空気に包まれる。

またやってしまった。

つむじの時は、いい方に転がったのだが、これはもうダメだ。

セクハラするオッサンだ。

いや、むしろ、変態だ。

もう、関係の修復は望めないだろう。


< 70 / 181 >

この作品をシェア

pagetop