マサハルさん

洗濯物を畳み終え、僕らは手馴れたフォーメーションで、お互いのタンスの中に洗濯物をしまう。

そして、三人でリビングのソファのクッションの部分には座らず、ソファを背もたれに、床に、足を投げ出して座った。



微かに聞こえる雨音。

誰も何も話そうとはしない。

薄暗い室内で、さっきまでハナが見ていた、「となりのトトロ」の明かりを、三人でぼうっと見続けていた。



どれくらいそうしていただろうか。

TVの中では猫バスが叫んでいる。

もうすぐ「メイ」を見つけるシーンになるはずだ。

その時、マサハルさんが口を開いた。


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