モントリヒト城の吸血鬼② 〜望まれざる来訪者〜
女性に甘いと言われる
朔夜が女性に
優しいのは、当然
そこに下心が
あるからだ。
朔夜にとっての女性は、
男としての欲を
満たすためのものであり、
吸血鬼としては
生きる伸びるための
餌でもある。
だから、なにかしら
有利な関係をつないで
おくためにとりあえず
優しくて機嫌を
とっておく。
メリットがあるから
こその、行動。
なのに、沙羅に
対してはどうだろう。
吸血鬼は、命の危機に
瀕しでもしない限り
十代後半に至っていない
子供の血を吸わない。
子供の血は、あまり味が
良くないし、そのくせ
酷い中毒性を
持っているからだ。
だから、13歳になった
ばかりの沙羅の血は、
まだまだ吸血鬼の
餌にはできない。