モントリヒト城の吸血鬼② 〜望まれざる来訪者〜
では、男としての
欲望のはけ口に
したいのかというと、
そういうわけでもない。
いくら沙羅が
美しい娘でも、
彼女は幼い子供で、
朔夜にその手の
趣味は断じて無い。
ようするに、
朔夜にとって沙羅は、
餌にも情欲の対象にも
なり得ない存在だ。
そんな彼女を、
ひたすらに
甘やかす、自分。
ただ、自分がそう
したいから、
していること。
損得を抜きにして、
心からしたいことを
しているから。
この穏やかな毎日が、
心地よくてたまらない。
だから、この日常を
守るためなら、
どんな苦労も厭わない。